甲状軟骨形成術(のどぼとけ手術)
のどぼとけの縮小または再建によって頸部ラインを整え、性自認と全体の輪郭バランスにより近い外観を目指します。
この手術はトランス女性における代表的な顔の女性化手術の一つであるだけでなく、トランス男性の性別肯認手術では、のどぼとけを再建して首元により男性的な輪郭を与える方法としても用いられます。
甲状軟骨形成術の基本は、外観の改善と機能面の安全性を両立させることです。どの術式でも術中には声帯保護を行い、声帯付着部と安全な切除範囲を評価することで、声帯損傷や発声機能への影響を避けるよう配慮します。
細部の変化は、単なる外見の変化にとどまらず、その人らしさをより完全に表現することにつながります。
トランス女性(MTF)のどぼとけ縮小手術
甲状軟骨形成術は、いわゆるのどぼとけ縮小手術であり、突出した喉頭隆起を目立ちにくくして、より柔らかく自然な頸部ラインを作ることを目的とします。同時に、発声機能と全体の審美的バランスにも配慮します。
内視鏡下甲状軟骨形成術
内視鏡補助下で甲状軟骨を整えることで、より明瞭な術野と繊細な操作性が得られ、軟骨切除の範囲をより正確にコントロールしやすくなります。
創部は口腔内に置かれるため、頸部の外見上に目立つ瘢痕を残しにくい方法です。術後は気道と腫脹の状態を確認するため、通常 1 日の入院観察を行います。
この方法は、のどぼとけの突出が比較的軽度で、回復の負担感を抑えつつ自然な変化を望む方に向いています。
隠し傷式甲状軟骨形成術
切開は約 1.5 cm で、通常は自然な頸部のしわに沿って隠します。瘢痕を目立ちにくくしながら、より十分な軟骨修整と輪郭調整を行いやすい方法です。
のどぼとけの突出が強く、よりはっきりした改善を希望する方に適した選択肢となることが多いです。
トランス男性(FTM)のどぼとけ再建手術
トランス男性の中には、もともとの甲状軟骨の突出が控えめで、ホルモン治療後も頸部に明瞭なのどぼとけが出にくい方がいます。
のどぼとけ再建では、自家肋軟骨を彫刻して甲状軟骨前面に固定し、男性的な喉頭隆起の立体感と角度を再現することで、首元をより男性的に見せることができます。
自家組織を用いるため、拒絶や感染のリスクを抑えやすく、形状や突出度も個々の条件に合わせて調整できるため、自然で調和の取れた頸部比率を目指せます。